実際に地方移住して田舎暮らしをしている私が「田舎のなりわい」、「里山資本主義」という新しい視点とその理想と現実について書いています。
これから地方移住や田舎暮らしをしたいひと、すでに移住をしているひと、両方のひとの感想を聞いてみたい1冊です。
今回は、藻谷浩介さん監修・Japan Times Satoyama推進コンソーシアム編集の著書
「進化する里山資本主義」
をご紹介します。
こんなあなたにおすすめの記事です!
・田舎暮らし、地方移住したあとの仕事について興味がある
・これからの時代の生き方を模索してる
・藻谷浩介さんの本を読んでみたい
記事を書いている私はこんなひとです。
ナチュハイライフのプロフィール;
2014年に千葉県の田舎に家族で移住。
新鮮な野菜、大きな家、広い庭。都会ではかなわなかった豊かな暮らしを実現。
自分らしい生き方を見つけて実践中!自分で人生を切り拓くひとを応援しています。
マネー資本主義の問題
「進化する里山資本主義」の第1章は藻谷浩介さんの書下ろしです。
藻谷さんは、一般的な「資本主義」というものを「マネー資本主義」と名付けて、その問題点について指摘しています。
困ったことにマネー資本主義者には、何でもお金の流れで説明した気分になってしまう傾向がある。
「進化する里山資本主義」より
「お金で解決できない問題に関しては、その存在自体を無視する」
「進化する里山資本主義」より
地方移住、田舎暮らしに興味を持ったひとには「マネー資本主義」の価値観に違和感を覚えるひとが多いんじゃないかなと思います。
私もそのひとりです。
お金を稼がないと生きていけない
お金を稼ぐのが苦しい
生きることが苦しいことになっている
すごくシンプルにいうと、マネー資本主義では、毎日が苦しい未来しか思い描けなかったんですよね。
エネルギー獲得の歴史が人類の歴史
第1章では人類の歴史についても触れられています。
根本的なところをみつめることが、マネー資本主義やこれまでの社会の問題点を明確にしてくれます。
エネルギー(カロリー)を獲得するために人類がしてきたこと、こんな感じだそうです。
・狩猟採集生活:自然に成長した植物や動物からのカロリーだけの生活→狩猟採集のためには広いフィールド(地面)が必要
・農業生活:人為的に農作物や畜産物、林産物をつくる生活(太陽エネルギーの固定化)→やはりエネルギー獲得のためには地面が必要
・化石燃料生活:地下にある資源を使うのでこれまでのような地面の制約がない→爆発的にエネルギー獲得ができるようになった
化石燃料生活は私たちの生活を便利にしてくれましたが、環境問題・資源枯渇問題などの課題はクリアできていません。
ところでエネルギー問題を語るときにちょっと話がごちゃごちゃするのが産業革命との違いです。
AIの技術などは「第4次産業革命」なんていって、また新しい時代がくる!気がしてました。
でも、産業革命の時代(今も)「化石燃料生活」のままなんですよね。
新しい技術で新しい時代がきた!と思っていたけど、エネルギーをどこからもってくるか(もしくはエネルギー使わない・循環させる)を考えるのが新しい時代ってことみたいです。
わたし、こういう「そもそも」のお話が大好きです。
普段は考えない視点でものごとを切り取るって、新しい発見があって「目からうろこ」がおちてわくわくします。
こんな感じで大局的な話題をちりばめた第1章からはじまり、第6章までいろいろな切り口で「里山資本主義」について綺麗に情報がまとまっています。
古い教育、新しい価値観
第6章では御立尚資さんがこんなことをおっしゃっています。
私たちは、工業化社会が進む中で効率的な教育によって社会通念を教え込まれているので、ものすごいバイアスを持っているんです。
「進化する里山資本主義」より
御立尚資さんはボストンコンサルティンググループのシニアアドバイザーもされている方で、6章ではJapan Times Satoyama推進コンソーシアムのアドバイザリーボードのお二人(藻谷さんと御立さん)の対談がのっています。
いま、地方移住・田舎暮らしに興味がある人、実際に移住した人はこれまでの古い教育のバイアスを手放した人が多いのだと思います。
自分らしく生きたいと思った時、マネー資本主義では満足できない時代になってきました。所得が増えても、毎年のように発生する自然災害やはやり病など環境の変化が大きい時代。
生き方の価値観の変化はどんどんとひろがっているんでしょうね。
まとめ
そのほかの章では、山口県周防大島の20年の歩みや、実践者の紹介などが掲載されています。
移住前に読むと心躍る内容です。
じゃあ実際に地方移住した私はどうかというと、経済的にはまだまだ地元とはかかわれていません。
成功事例がぎゅっとまとまっているだけなので、この本を読んだだけではまだ具体的な行動を起こす気にはなれませんでした。
もちろんこの本の意図はそんなところにはないのですが、地域おこし的な話は美談が多すぎて、「できるひとはすごいなー」という感想しか出てきませんw
とはいえ、この本には地方に生きるモチベーションをあげてくれるきっかけがたくさん詰まっています。
「里山資本主義」はぜひ多くのひと共有したい考え方です。
今回のナチュハイライフは「今までの人生を諦めて、成功を手に入れる」でした!
ではまた~
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